松煙染のご紹介
皆様いつもご愛顧ありがとうございます。
三つ目の投稿になりました。
これからこのブログで新しい反物のご紹介や着物のお直し・染め直しの実例なども随時ご紹介したいと計画を練っております。
「もっとこういう事が知りたい」「着物のこういう部分が見たい」など御意見・御感想がございましたら、是非コメント欄にコメントを頂きたく存じます。
さて今回ご紹介したい逸品は、古くからその染色技術が現代まで継承されてきた松煙染になります。
まず特筆すべきは、特殊な染色技法による自然風合いの変化に富んだ濃淡の表現です。
松煙染のグレーは朝夕の光や身につける体温などによってほのかに変化します。
平安時代の頃から日本人の肌色を美しく彩る色として愛されてきたのです。
その染色技法とは樹脂成分の多い松の根と木を燃やし取り出した貴重なススを使って染め上げていくものです。
この貴重なススにより美しい濃淡の染め上がりが実現し、その燻製効果により生地に強力な防虫効果が発揮されます。
また今回使用されている絹糸は前回ブログでもご紹介させて頂いた純群馬産ブランドの絹糸であります「ぐんまシルク」でございます。
このぐんまシルクを「水織」と呼ばれる手法で織り上げていき、密度が高くシワや擦れに強い生地を生み出します。
「美しく、永く色褪せない織物」
古くから高貴な人々に愛されてきた理由がここにあるように感じます。
本当に''みやびな物"とは派手な色合いの豪華な物ではなく、松煙染のように少し控えめだけれど、長く愛用出来る物を言うのかもしれません。
三寒四温で気温の変化に悩まされる今日この頃ではございますが、是非足を運びご覧になって頂きたいです。
皆さまのご来店心よりお待ちしております。